行政書士事務所の広報戦略
個人経営で、行政書士事務所を営むとき、考えるべき広報戦略について、まとめました。
参考資料
以下の書籍が参考になりました。(久留米市の図書館には2014年版しかありませんでしたが、アマゾンには改訂版が出ているようです)
息吹勇亮他著「広報・PR論」(有斐閣ブックス, 2014)
広報戦略とは
広報戦略とは、「広報」の「戦略」です。
よって、それぞれの言葉の意味を知っておく必要があります。
- 広報(PR):英語ではPublic Relationsといい、社会とよりよい関係を構築し、維持すること。
- 戦略:PDCAサイクルが回せること。
ざっくりとした定義ですが、何となく意味は分かります。
戦略についてもう少し説明すると、PDCAの中でも、特にチェックできること・チェックを次に生かせることが重要です。
そしてチェックするためには、目的が明確である必要があります。
ということは、広報戦略を考えるためには、「社会(良い関係性を構築したい相手)」と、「良い関係性を構築する目的」、「良い関係性を維持する方法」の3つを考えることになります。
広報戦略の相手
広報戦略の相手は、社会(Public)ですが、もう少し詳しく言うと、「ステークホルダー」というそうです。
おおよそ、以下の5種類あるようです。
- マスメディア(テレビなど)
- マスでないメディア(主にインターネット)
- 投資家
- 地域コミュニティ
- 政治(ロビイング)
個人経営の行政書士の場合、マスメディアは高価なのであまり考慮対象とならないでしょう。
投資家も、株式会社になるまでは存在しません。
政治も、あまり関係ないでしょう。
よって、個人経営の行政書士事務所が考える広報の相手とは、「マスでないメディア」と「地域コミュニティ」の2つです。
広報戦略の目的
行政書士事務所を経営する目的は、各事務所バラバラで、たとえば、売上や利益の向上だったり、自分らしい働き方の確立だったりすると思います。
それぞれの思いをもとに、広報戦略の目的を決めた方が良いです。
一般論としては、以下のようなことが広報戦略の目的として考えられます。
- リピーターの獲得(同じ人に、既存サービスを買ってもらう)
- 競争優位性を獲得(新規顧客に、既存サービスを買ってもらいやすくする)
- 市場の拡大(新規サービスを買ってもらう)
- 認知度の向上(今は買ってもらわないが、まず知ってもらう)
- 社会貢献(顧客以外への貢献が知られれば、顧客にも知ってもらいやすくなる)
どんな目的が必要なのかは、それぞれの事務所が置かれている状況によって、バラバラだと思います。
目的が決められない場合は、課題を認識し、現状分析(SWOT分析)をすると良いようです。
広報戦略の方法
相手が決まり、目的が決まれば、あとはその方法を探していく作業です。
たとえば、「マスでないメディア」に対して、「認知度を向上したい」場合を考えてみます。
YouTube上や各種SNS上で、発信している行政書士が、すでに大量にいます。
ライバルが明確ですので、やるべきことは単純です。
そのような認知度向上のために情報発信している他事務所をよく観察し、見習うべきところは見習い、改めるべきところは改めていくだけです。
ただし、単純ですが、簡単ではありません。
それぞれの特性や性格などの影響が大きいため、きちんと数値目標(たとえば1ヶ月にxxx人フォロワーを増やすなど)を作っておき、達成できそうにないなら、早目に撤退した方が良いと思います。
(もちろん、そのSNS自体が楽しいなら、趣味として続けても良いと思います)
現代は、ありとあらゆる方法が、情報としてまとまっています。
とりあえず、図書館で関係しそうな書籍を3冊程度読んで、いろいろ試してみるのも良いかもしれません。
まとめ
以上、広報戦略の定義から考え、相手、目的、方法について、どう考えたら良いかまとめました。
当事務所でも、いろいろなことに挑戦していきたいです。