久留米市に行政書士は多いのか、少ないのか?
行政書士は、全国に5万人以上いて、法律系の士業としては多いです。
業として行う場合、行政書士数が多いということは、いわばライバルが多いととらえることもできます。(実質的には、取扱い業務ごとにやっていることが全然違うので、必ずしもライバルとは言えないのですが、この記事では便宜上、ライバルということにしておきます。)
当事務所は、福岡県久留米市で開業しましたが、久留米市の行政書士数は多いのか、そうでもないのか、調べてみました。
比較方法
全国の市区町村と比較して、久留米市は、人口1万人あたりの行政書士数が多いのか、少ないのかを調べます。
当事務所は、企業法務をメインとするため、人口は昼間人口で考えます。
昼間人口とは、昼間にその都市にいる人をカウントした人口です。
たとえば、久留米市から福岡市に通勤している人はカウントしません。一方、福岡市から久留米市に通勤する人はカウントします。
e-statで検索できる2020年の国勢調査に、「従業地・通学地による人口(昼間人口)」という項目がありますから、これを利用します。
比較対象の市区町村は、久留米市の昼間人口に近い市区町村を、20都市抽出しました。(久留米市をあわせて21都市で比較します)
- 中野区
- 四日市市
- 秋田市
- 大津市
- 福岡市東区
- 高槻市
- 台東区
- 福岡市中央区
- 盛岡市
- 目黒区
- 久留米市
- 所沢市
- 越谷市
- 水戸市
- 名古屋市中区
- 福島市
- 福井市
- 神戸市中央区
- 津市
- 墨田区
- 春日井市
また、行政書士数は、日本行政書士会連合会の検索ページから、当該市区町村を検索して、登録されている行政書士数を調べました。
調べた日は、2023年7月29日時点です。また、個人会員のみで、法人会員は除きました。
以上の数字から、(行政書士数)÷(昼間人口)×10,000で、1万人あたりの行政書士の割合を計算します。
比較結果
結果は、以下のとおりです。
市区町村 | 昼間人口 | 行政書士数 | 割合 |
台東区 | 307,176 | 256 | 8.33 |
名古屋市中区 | 294,608 | 244 | 8.28 |
神戸市中央区 | 284,412 | 234 | 8.23 |
福岡市中央区 | 306,659 | 228 | 7.43 |
水戸市 | 295,673 | 197 | 6.66 |
福井市 | 286,221 | 166 | 5.80 |
津市 | 282,357 | 142 | 5.03 |
中野区 | 325,767 | 162 | 4.97 |
所沢市 | 298,938 | 145 | 4.85 |
目黒区 | 301,801 | 142 | 4.71 |
盛岡市 | 302,356 | 142 | 4.70 |
久留米市 | 300,236 | 141 | 4.70 |
大津市 | 313,359 | 142 | 4.53 |
秋田市 | 319,150 | 138 | 4.32 |
四日市市 | 319,793 | 132 | 4.13 |
福島市 | 290,714 | 117 | 4.02 |
越谷市 | 298,114 | 118 | 3.96 |
春日井市 | 281,390 | 109 | 3.87 |
墨田区 | 281,971 | 107 | 3.79 |
福岡市東区 | 311,606 | 115 | 3.69 |
高槻市 | 309,698 | 103 | 3.33 |
久留米市は、昼間人口1万人あたりの行政書士数が4.7人であり、同規模の都市で比較するとちょうど真ん中です。よって、多くも少なくもない、という結果でした。
あんまりおもしろい結果ではありませんでしたね。
おまけ
ついでに、九州各県の県庁所在地も調べてみました。
(福岡県庁は福岡市博多区、福岡市役所は福岡市中央区なので、福岡市のみ2つあります)
市区町村 | 昼間人口 | 行政書士数 | 割合 |
福岡市中央区 | 306,659 | 228 | 7.43 |
熊本市中央区 | 234,744 | 143 | 6.09 |
鹿児島市 | 599,331 | 353 | 5.89 |
宮崎市 | 406,619 | 221 | 5.44 |
佐賀市 | 248,170 | 118 | 4.75 |
久留米市 | 300,236 | 141 | 4.70 |
大分市 | 481,509 | 209 | 4.34 |
福岡市博多区 | 401,756 | 162 | 4.03 |
長崎市 | 419,495 | 153 | 3.65 |
九州各県の比較では、長崎県長崎市が圧倒的に少なく、福岡市中央区の半分以下です。
行政書士の少ない地域では、民事法務、企業法務等、まんべんなくできる必要があるでしょう。
いわば、ジェネラリスト型の行政書士が求められます。
一方、行政書士の多い地域では、専門特化していかなければ生き残れないと思われます。
ここで求められるのは、スペシャリスト型の行政書士です。
わたし自身は、企業法務をおおむね受けつつも、情報技術に特化した行政書士を目指したいです。
そのため、多様な行政書士の先輩方と協力関係を結びながら、業務を進めていけたらと思っています。