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行政書士事務所のwebサイトはジンドゥーで十分

2023年10月21日作成2023年11月04日更新

個人経営の行政書士事務所において、広報戦略の考え方を、以前の記事「行政書士事務所の広報戦略」で整理しました。

では、その具体的な方法として、たとえばwebサイトについて、どう考えたら良いか、今のところの結論を整理してみます。

結論

個人経営の行政書士事務所においては、webサイト制作は、ジンドゥーでできる範囲で十分だと思います。

わたし自身は、当サイトをヘッドレスWordPressで運用していますが、それはわたしが情報系の知識があって、webサイト制作が好きだからやっているだけです。
効率性の観点から言えば、当サイトがWordPressで作られている合理的な理由は、あまりありません。
webサイト制作が、本業でも趣味でもない、個人経営の行政書士事務所においては、WordPressはオーバースペックのような気がしています。

最近、そのように思うようになった理由を、書いていきます。
お時間ある方は、最後までお読みください。

背景知識

webサイトについて考える前に、広報戦略について考えなければいけません。
webサイト戦略は、広報戦略の一部だからです。
広報戦略については、前回の記事をご参照ください。

たとえば、

  • 相手:地域コミュニティ
  • 目的:顔や人となりを知ってもらう

といった場合は、webサイトで広報するのは非効率です。
地元のお祭りなどに顔を出す方が、良いかもしれません。

web戦略が効率的なのは、たとえば、

  • 相手:メール交換や、名刺交換をした見込み客
  • 目的:事務所の得意分野を知ったうえで、業務の依頼につなぐ

というような場合です。

いわゆる、「名刺的活用」と呼ばれるものです。

もう1つは、

  • 相手:Googleなどで「**許可」などを検索したひと
  • 目的:事務所のサービスを知って、お問い合わせしてもらう

という場合もあります。

こちらは、「集客的活用」などと呼ばれます。

このほか、ネットショップ(Storesのような)や、情報販売サイト(noteのような)、事業者マッチングサイト(バトンズのような)などもありますが、個人経営の行政書士であれば、あまり関係ないと思うので割愛します。

行政書士のサイトに必要なもの

個人経営の行政書士事務所において、webサイトにまず必要なのは、名刺的活用です。 そのためには、

  • 対応業務を表示するページ
  • お問い合わせページ

が必要です。

上記の機能がないサイトを作っても、意味がありません。

次に、集客的活用も、できたらやりたいです。 そのためには、

  • 多くの人に役に立つコンテンツ
  • SEO対策されたページボリューム、ページ構成(構造化データ)
  • 公的・準公的サイト、その他サイトからの被リンク
  • 各種SNSで取り上げられたときの見栄え(OGP)
  • 単純接触効果をあげるための工夫(見る度に違う情報が表示されるなど)
  • アクセシビリティ(音声ブラウザ対応、多言語対応など)

などが必要です。

ただし、こういった対策は、人件費、時間、お金などの資源が必要です。
それらのコストを支払ってでも、集客した方が利益が上がる場合にのみ有効です。
(当サイトでも、上記全部には対応していません。)

集客費用と、最終的な利益のバランスを決めて、会計上、計画的に実行してください。

webサイト制作の選択肢

webサイトを作る場合、いくつかの選択肢があります。 以下、列挙してみます。

  • WordPress
  • Wix
  • ジンドゥーやAmeba Ownd
  • microCMSやnewt
  • WordPress

世界のwebサイトの40%以上が、WordPressで作られているそうです。
これは圧倒的な利用率です。
有名なところでは、アメリカのホワイトハウスもWordPressです。

WordPressの良い点は、自由度が高いことです。
ECサイトや、マッチングサイトなど、ほぼなんでも作れます。

問題点は、セキュリティです。
WordPressをすでに利用されている方には、当事務所がおすすめする、最低限やってほしいセキュリティ設定4つを、以前まとめていますので、ぜひご参照ください。

セキュリティ対策は、安いところに頼んでも毎月5,000円くらいはかかると思います。
ホワイトハウスともなれば、ページ数も多く、アクセス数も多く、サイバー攻撃も多方面から受けるでしょうから、エンジニアが複数常駐せざるをえず、維持費だけで何万ドルもかかっているはずです。
個人経営の行政書士事務所では、そこまでする必要はないものの、とはいえ、それなりの費用は見込んでおく必要があります。
自分でセキュリティ対策を勉強できるなら、この費用はかからないのですが、本業でも趣味でもないwebサイトに、それだけの労力をかけるのは大変です。

よって、webサイトの維持費に毎月5,000円以上(理想は1万円から2万円程度)かけられない場合、WordPressはおすすめしません。

Wix

WordPressよりは、利用数は少ないですが、こちらも世界的に利用されているシステムです。

また、Wixは、WordPressほどではないものの、自由度が高く、高機能です。
セキュリティ対策も、Wix側でやってくれるので、安心です。

問題点は、高機能のため、サイトが重いことです。表示速度が遅いです。
また、これも高機能の裏返しですが、操作で覚えることが多いということもあります。
行政書士事務所のサイトとしては、ややオーバースペックかなと思います。

あと、高機能を実現するために、ソースコードが汚いので、HTMLが読める人には好まれないかもしれません。

Wixは、Wix特有の操作方法を学習する時間が必要です。
そのような時間を十分に取れる方には、おすすめします。
そうでない場合は、おすすめしません。

ジンドゥーやAmeba Ownd

使われているサイトの数は、WordPressやWixよりも少ないです。

作れるサイトも、基本的なものだけです。
デザインの自由度や、機能の拡張性は低いです。

しかし、名刺的機能はまかなえます。集客機能も、ある程度はやってくれます。

また、自由度が低い分、操作を覚える手間は少なくてすみます。

セキュリティについては、心配ありません。
ジンドゥーは、日本ではKDDI系列の会社が管理してくれますし、Ameba Owndは、abemaTVなどを運営しているサイバーエージェントが管理してくれます。

個人経営の行政書士事務所で、webサイトが本業でも趣味でもない場合、ジンドゥーやAmeba Owndなどのサービスをおすすめします。

microCMSやnewt

比較的新しい技術なので、まだシェアは低いですが、これから伸びていくと思われます。

静的サイトを生成するので、表示速度が速く、セキュリティ上も安全です。

大量のページがあるサイトには向きませんが、行政書士のサイトなら、問題ないと思います。

現時点では、これらのサービスを使うために、プログラミングの知識が必要です。
node.js(とくにNext.js)などが主流ですが、PHPでも一応作れます。

よって、現時点では、microCMSや、newtなどのサービスはおすすめできません。
しかし、将来的に、もっと簡単な連携システムが出てくれば、おすすめ対象になってくるかもしれません。

ジンドゥーの費用

ジンドゥーでホームページを作る場合、費用としては、以下のようなものがかかります。

初期費用:

  • 独自ドメイン 1,000円~
  • デザイン費用 0円~45万円

※デザイン費用は、自分でやれば0円です。
 ココナラなどで、10万円以下でやってくれるデザイナーもいます。
 ジンドゥー公式の制作パックは約30万円です。
 その他、Jimdo Expertと呼ばれる専門家に頼むこともできるようです。

運用費用:

  • 独自ドメインの維持費 毎年2,000円~
  • ジンドゥーのPROプラン 毎月1,200円

最初は、デザインに凝らなくてよいと思います。
スモールスタートでwebサイト運用を始めてみてから、だんだんお客さんが増えてきたタイミングで、リニューアルを頼むのが良いです。

なお、これらの費用は、他のサービスに比べても、かなり安い方だと思います。
これよりも費用を抑えたい場合は、webサイトでの広報は諦めた方が良いかもしれません。

ライブドアなどの無料ブログや、各種SNSによる広報を検討したり、Googleビジネスプロフィールの利用をおすすめします。

ジンドゥーの欠点

上記のとおり、個人経営の行政書士事務所なら、ジンドゥーやAmeba Owndをおすすめします。

どちらでも良いですが、わたしは最近とくにジンドゥーをおすすめしています。
最近、諸事情からジンドゥーを触ることになり、その操作性が簡単だったので、気に入りました。

とはいえ、ジンドゥーにも欠点はあります。

広島県にあるweb制作会社のヒラメキカンパニーさんが書いている「ジンドゥーで作ったホームページのメリット3つ」という記事によれば、以下の通りです。

  • ブログが書きづらい
    • 言葉が特徴的
    • トップページに表示ができないので、お知らせやブログをたくさん書く場合は難しい
  • 複雑で大規模な構造のホームページには向かない
  • バックアップが取れない
  • 構造化マークアップが使えない

トップページに表示する方法については、先日qiitaに「Jimdoのブログ記事一覧をトップページに表示させたい」という記事を書きました。
もしよければ読んでください。

ただし、ヒラメキカンパニーさんも書かれている通り、ジンドゥー公式が推奨している方法ではないため、やはりデメリットであることに違いはありません。


いくつもの欠点はあるのですが、とはいえ、ジンドゥーはよくできたシステムだと思います。

値段、自由度、覚える操作など、総合的に勘案すると、行政書士事務所のホームページ制作には、ジンドゥーがおすすめです。

最後までお読みいただきありがとうございました。
なにかお気づきの点がありましたら、お問い合わせください。

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